配達先のあれこれ
近年、フードデリバリーサービスは私たちの生活に欠かせない存在となりました。自宅にいながらにして様々な料理を楽しめることから、その利用者は年々増加しています。しかし、配達先の種類によっては、配達員が直面する課題や注意点が異なることをご存知でしょうか?今回は、配達先ごとの特徴や注意点について詳しく紹介していきたいと思います。
お客様の傾向
フードデリバリーをご利用のお客様は半数以上は固定のお客様(リピーター様)のように感じます。割合的には『新規様:リピーター様=3:7もしくは4:6』といった感じです。利用される年齢層は20代~50代の方が多いのではないでしょうか。スマホをうまく使いこなせる世代に需要の傾向があるように思います。
配達先の種類
フードデリバリーの配達先は多岐にわたります。一般的な住宅からオフィスビル、さらには商業施設まで、多様な場所へ料理を届ける必要があります。私が配達しているエリアは住宅街の為、配達先の9割が一般の住宅(マンション、アパートも含む)です。また特殊な配達先では、配達員が独自のルールや許可を理解しておくことが重要です。
配達先ごとの注意点
住宅への配達では、正確な番地・部屋番号やインターホンの使い方を確認することが大切です。一軒家住宅への配達は同じ番地で家が2軒並んでいる所もありますし、番地が表示されていない建物、またアパートなどの集合住宅は部屋番号のみで表札が無いところが結構あります。しかし、限られた情報をもとにお客様へ確実に商品をお届けしなければなりません。特に夜間の配達は暗くて周囲が見えにくいです。グーグルマップの位置情報やまわりの建物の様子(配達先がアパートだとしたら周りに同じような建物がないかどうかなど)から判断し、配達先を特定します。どうしてもわからない時は、お客様に電話して聞いてみましょう。
オフィスビルへの配達では、受付を通過する手続きやビルのセキュリティを考慮する必要があります。特に、大きなビルではエレベーターの使用や指定されたフロアへのアクセスが重要です。商業施設内への配達では、特定の出入り口を利用することや、施設内の混雑時に効率的に配達を行う方法を考えることが求められます。
商品をお届け
商品の引き渡しについてですが、対面で直接お渡しする場合と置き配がありますが、私の配達区域では置き配指定が約6〜7割、対面でのお渡しが約4〜3割くらいです。お客様によっては置き配で『チャイムを鳴らさないで下さい』や『ドアノブにかけて下さい』や『玄関の横の箱の上に置いて下さい』等、指定がある場合もありますので、その時は指示に従いましょう。オートロックのマンションは『置き配』指定でもエントランスでインターホンを押して開けてもらい部屋の前までは持って行きましょう。間違っても(間違える人はいないと思いますが)エントランスに置き配してはなりません!また置き配で対面がない場合でもお客様にはいつも見られているつもりで、丁寧に商品を置く、去り際には一礼をする等、小さな配慮を心掛ける事が大事だと思います。
配達先のエピソード
①やはりフードデリバリーの仕事でよくあるのが配達先で迷ってしまう事です。先述した通り、配達先がわからなくなる事はよくあります。似たような建物があったり、同じ番地で建物が2軒あったり(特に表札がない場合は厄介)、配達アプリのピンずれで全く違う場所が表示されることもあります。そんな時は焦らずに冷静なって、まずは周りの状況確認をしましょう。そして、わからない時はお客様に連絡してみましょう。また場合によってはお客様が到着時間に合わせて家の前で待っていて下さることもあります。(フードデリバリーの注文アプリは配達員の現在地がわかるようです)
②商品のお届けが遅くなる場合(出前館の場合は到着予定時刻から20分)は必ずお客様に連絡しましょう。連絡しておけばお客様も納得してくれます。以前あるピック先で、ちょうど昼の時間帯で厨房がすごく混雑しており、商品を作り忘れられていることがありました。わかった時点ですぐにお客様に電話したのですが、到着予定時間よりすでに40分遅れていました。私はお客様はかなりご立腹だろうと思いながら電話しましたが、そのお客様は『大丈夫ですよ。焦らず事故しないように来て下さいね。』とやさしく仰ってくれました。他に遅配でお客様に連絡した時も、怒られた事はなく親切なお客様が多かったように思います。
③雨の日の配達はレインスーツを着ていても時間が経つと染みてきます。もちろん、商品への配慮は特に気を遣いますが、その分報酬も良いですし、オファーの件数も増えます。そして配達先のお客様からのご配慮をいただくこともあります。商品の引き渡しの際、『雨の中ご苦労様です。気を付けて下さいね』と声をかけて下さるお客様や、『雨の中ありがとう!』と言って、ちょっとしたお菓子をくれたお客様もいました。雨の日の配達はきついですが、こういったお客様の配慮がすごく励みになりますね。
まとめ
フードデリバリーの配達先には、それぞれ独自の特徴と注意点があります。配達員がこれらを理解し、適切に対応することで、より多くの人々が快適にサービスを利用できるようになります。フードデリバリーは、私たちの生活を便利にし、日々の食事を楽しむための重要なツールです。今後、高齢化が進むにつれ買い物にいけない人(買い物難民の増加)や、1人暮らしで料理を作らない人など、フードデリバリーの需要は今後、ますます増えていくように思います。課題としては、フードデリバリーの存在を知らない人や、知っていてもスマホやアプリの使い方がわからない人がまだまだ多いと思います。お年寄りでも簡単に利用できるようになり、フードデリバリーがより認知されることが今後の需要拡大につながると考えられます。